2015年3月13日金曜日

電子メールを上手に活用しましょう 電子メールのエチケット(ネチケット)とは?

インターネットが普及した今、相手との連絡に、電子メールは欠かせない道具になりました。しかし電子メールは、使い方にも注意しないと、思わぬ落とし穴があります。普段の会話ではなんでもないことが、電子メールだと誤解をまねくこともあり、また、電子メールを悪用したウイルスや詐欺(フィッシング詐欺)などもありので、注意が必要です。

なお、利用者が守るべき基本的なモラルやマナーのことを、インターネットの世界では、「ネチケット」(netiquette)と呼ばれています。ネットワーク(network)とエチケット(etiquette)の合成語です。

今回は、電子メールのエチケット(ネチケット)に関して、昔から有名な「ネチケットガイドライン」をもとに、まとめてみましたので、参考にして下さい。

なお、参考にした「ネチケットガイドライン」は、1995年、今から15年以上も前に書かれたものですが、電子メールの使い方など、今でも通用する内容が多くあり、驚きます。

技術が進歩し、中には古い内容もありますが、今でも充分注意する内容が多々あります。時代が変わっても、守るべき基本的なことは変わらないことがよく分かりますね。

  「ネチケットガイドライン」   サリー・ハンブリッジ著
    1995年10月 高橋邦夫訳 1996年2月2日
   http://www.cgh.ed.jp/netiquette/rfc1855j.html



■ 電子メールのエチケット(ネチケット) *夢一灯編


上記の「ネチケットガイドライン」の電子メールの解説部分を参考に、最新の内容を加味して、電子メールを使うときの注意すべき点をまとめてみました。


(1) 電子メールは万能ではありません。電話なども有効に活用しましょう。

電子メールの内容で、言いたいことを正確には伝えるのは、特に難しい場合があります。緊急に連絡が必要な場合、メールだと感情的になるような場合等は、電子メール以外の手段(電話、直接会う 等)を利用しましょう。


(2) インターネット上のメールは安全ではありません。

インターネットでのメールは盗聴の危険性や、メールが悪用される危険性があります。クレジットカード番号、パスワードなど他人に知られたくない個人情報や非公開情報などは決してメールに含めてはいけません。


(3) 不審なメールは「無視」が大原則、絶対に返信しないことが大事です。

迷惑メールは、「SPAMメール(スパムメール)」や「ジャンクメール」とも呼ばれています。簡単に言えば、”要求していないのに、一方的に送られてくるメール”です。返信するとメールアドレスが本物と分かり、それ以降、迷惑メールの餌食になります。


(4) 返信はなるべく早く必ず出すようにして、基本的に送信者のみに返信しましょう。

送信した人は、本当に届いたか不安になっている場合もあります。メールを受信したらなるべく早く返信するようにしましょう。もし、返信が遅れる場合は、その旨をまず連絡しましょう。

返信は基本的に送信者のみに返信することが原則です。必要な場合を除き、全員に返信することは基本的に避けるようにしましょう。


(5) 送信する内容には慎重になり、感情的なメールは避けましょう。

電子メールで感情的な応答をしたい時は、すぐに送信せず、しばらく時間をおき、冷静になるまでしばらく待ちましょう。

たとえ挑発されても、激情的なメッセージを送ってはいけません。送信したら、メールは訂正も削除もできません。送信した後、悔やまないよう、感情的なメールは避けましょう。


(6) 受信するメールの内容には寛大になりましょう。

相手は自分とは違う価値観を持っています。また、文章では相手の本当の言いたいことが分から無い場合もあります。受信するメールの内容には寛大になり、冷静に受け止めましょう。


(7)虚偽の情報には注意すると共に、虚偽の情報を流さないようにしましょう。

メール内容は全て真実とは限りません。メールには偽りや、ごまかす内容が入っているかもしれません。あるメッセージが本物だと思い込む前に、常識の「現実性チェック」を適用しましょう。


(8) メール作成時は、文化、言語、ユーモアの基準が違うことを考慮に入れましょう。

相手は、文化、言語、ユーモアの基準があなた自身とは異なっている人間であることを忘れず、表現には注意をしましょう。


(9) 他人の文章を許可なくメールで流したりしないようにしましょう。

他人の文章を、関連する部分だけ引用する場合は、引用元を明示し、著作権を尊重しましょう。

注意!! 他人の文章を引用する場合

自分のオリジナルの文章が多くを占め、自分の文章の説明や補強として、他人の文章を利用する(引いてくる)というのが引用する場合の基本です。

以下に、著作権法を参考に、引用時の注意事項を示します。

(a)他人の文章を引用する必然性があること。
(b)かぎ括弧をつけるなど,自分の文章と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の文章と引用する文章との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所(出典)の明示がなされていること(引用部分の作者名・作品名、ホームページのURL等)。


(10) 受け取る相手に対する気配りを心がけましょう。

あなたが誰であるか他人に確実にわかるようにするため、メールの終わりに1行か2行の連絡先情報を入れましょう。インターネット用語では、「署名(シグネチャ)」として知られています。これは名刺の代わりになります。


(11) メールの送信先は間違えないように注意し、送信前に必ず今一度確認しましょう。

送信するメールアドレスを間違うと大変な事になります。仲間に送信するのを間違って上司に送信したり、誤って会社の機密情報を他社の人にメールすると大変です。送信前に、必ずメールの送信先を今一度確認する習慣をつけましょう。


(12) 送信先の区別(TO、CC、BCC)を使い分けましょう。

意外に間違いが多いのが、送信先の区別(TO、CC、BCC)の間違いです。

   TO :メールを読んで、何かをしてもらいたい人
   CC :参考に読んでほしい人(carbon copy)
   BCC :他の送信先を見せずに同じ内容を送る場合の宛先
                (blind carbon copy)

BCCに指定したアドレスは、メールのヘッダーには記載されず、結果的に、アドレスを隠して送ることができるので、無関係な複数の人に送信する場合などに使用します。

注意!! BCCを使う時、BCCのみを使用し、同時にTO、CCを使用しない!!

BCCどおしであれば、相手のアドレスは見えませんが、同時にTO、CCを使用すると、やっかいな問題が生じます。

TO、CCの宛先には、BCCの宛先は見えません。しかし、BCCの宛先には、TOとCCの宛先は見えています。

そのため、BCCで受信した人が「全員返信」で送信すると、TO、CCの人にも返信されてしまい(BCCの人には返信されません)、BCCで送信したことがバレ、問題になります。


BCCを受信した人が全員返信する場合があり、この場合はTOとCCの人にも送信されるので、BCCを使うとき、同時にTO、CCを使うことは避けた方が無難です。


(13)ウイルス対策は必ず実施しましょう。

ウイルスは、メールを媒体にして広がっていくのが殆どです。メールを使用する場合、ウイルス対策は必須です。必ず、ウイルス対策ソフトを導入すると共に、ウイルス定義ファイルは定期的に更新しましょう。


(14) 怪しいメールの添付ファイルは危険、安易に開かないようにしましょう。

添付ファイルには、ウイルス、スパイウェアなどが潜んでいることが多いので要注意です。怪しいメールの添付ファイルは、絶対に開かず即削除しましょう。

なお、差出人を偽って送られて来るウイルスつきメールもあるので、知人からのメールであっても添付ファイルには気をつけましょう。


(15) 迷惑メールの中のURLは絶対にクリックしない。
危険なホームページに誘い込まれ、詐欺にあったり、個人情報を盗まれます(フィッシング詐欺)。絶対にURLをクリックしないことが必要です。


(16)「差出人(送信者)を偽る」メールに騙されるな。

差出人を偽るメールは、"差出人詐称ウイルスメール"(詐称(さしょう))と言われ、差出人を変更し送られて来る、ウイルスつきメールのことです。

実は、メールの差出人は簡単に変更することができます。ウイルスなどの不正ソフトは、このことを利用しますので、差出人が知人の場合でも、メールの内容がいつもと違い、変だと感じたら、そのメールを安易に信用せず、その知人に確認しましょう。


(17) チェーンメール(chain mail)を出さないようにしましょう。

チェーンメールは、「○人に転送しなさい」「多くの人に転送して下さい」など多数への転送を依頼するメールです。輸血の依頼・人捜しなどの「善意メール」も、多数へ転送されるため、チェーンメールに含まれます。

電子メールは転送が容易で、ねずみ算式に広がるので、内容にかかわらず、このようなメールは転送しないのがマナーです。


(18) 個人情報を盗み出すフィッシング詐欺メールに注意する

個人情報を盗み出す「フィッシング詐欺」とは、だまして偽りのホームページに誘い、個人情報を盗む詐欺行為です。

フィッシング詐欺の多くは、正規の銀行などからのメールを装い、メールに書かれたURLをクリックさせることにより、偽の金融機関やショッピングサイトなどにユーザを誘導し、クレジットカード番号やパスワードなどをだまし取ります。

以下の3点は、ウィルス対策全般に基本的なことですが、「フィッシング詐欺」対策でも大事なことです。

 (a) メールを完全に信用しない、あやしいメールは無視して即削除する

 (b) 個人的な金融情報を要求するメールは無視する

   通常企業は、顧客のパスワードや口座情報をメールで尋ねることはありません。
   このようなメールは無視する。
 
 (c) アカウント名・パスワード等の個人情報を要求するメールは無視する

 (d) 一方的に送られてきた寄付を要請するメールには答えない

   もし寄付をする場合は、各種救済団体の正規のサイトに直接アクセスする。

 (e) メールの中の怪しいリンクはクリックしない

 (f) 個人情報を安易に入力しない